小説掌編「平和が一番」

2018年11月25日

この作品は、一年前に書いたものです。つたない文で平和の持論を、おじいさんに語らせています。


 元妻と暮らしているとき、すごく幸せだった。

 平和だった。

 今はどうだろうか?

 勿論、今も平和だ。

 妻がいないのに平和。

 それはなぜだろうか?

 わしは離婚してから理由が分かった。

 平和にはたくさんの種類があるのだ。

 戦争がない国。

 国民全員が幸せ。

 お金をたくさん持っている。

 他にもたくさんあるだろう。

 わしは元妻といたことにより、一緒にいるという平和しか認識していなかった。

 わしは離婚したことにより、別の平和を認識できた。

 これも一つの平和なのではないかと思う。

 人は離婚をしたら、何かしらのストレスを感じるだろう。しかし、わしはそれを感じなかった。

 何故かというと......

「おじいちゃーーん!」

 わしの耳に、可愛い女の子の声が聞こえてきた。

 今度はクロがわしによって来る。

 わしは孫を抱いてやり、クロを撫でた。

 孫がいる。飼い猫がいる。家がある。世界がある。わしという人間が生きている。それらのすべてが平和なのだ。

© 2018 奈倉 蔡 このページはカラフルに彩られています。
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